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寛永14年(1637年)、初代・大倉治右衛門が京都府南部の笠置から、城下町として発展し宿場町・港町としてにぎわう伏見に出て来て創業。2017年で創業380年になりました。
屋号を「笠置屋」、酒銘を「玉の泉」として酒の製造と販売を始めました。創業から250年ほどは、主に地元の人たちや、旅人を相手に商う小さな酒屋でした。歴代当主は家業に精励し、明治の躍進期を迎えました。
明治38年(1905年)、勝利と栄光のシンボル「月桂冠」を酒銘に採用。明治42年(1909年)に大倉酒造研究所(清酒メーカーとして初の研究所)を創設、酒造りに科学技術を導入し品質の向上を成し遂げました。樽詰全盛の時代、びん詰酒に力を入れ、防腐剤なしのびん詰を本格的に販売、明治43年(1910年)には駅販用の「コップ付き小びん」が鉄道で採用されました。
東京市場への進出、洋式簿記採用により経営を近代化するなど次々と新機軸を打ち出し、酒銘が全国に知られていきました。
昭和36年(1961年)には、日本で初めて年間を通じた酒造りを行なう四季醸造システムを備えた酒蔵を完成。その後開発・導入した新規技術の活用と共に、高品質で多彩な酒造りを行なうもとになっています。
月桂冠は日本を代表するブランドとして、伝統に安住することなく、常に創造と革新を繰り返し、2017年には創業380年を迎えます。現在、「基本理念」に「QUARITY」「CREATIVITY」「HUMANITY」の3項目を、また企業ブランドコンセプトに「健をめざし、酒(しゅ)を科学して、快を創る」を掲げています。
高度で精緻な独自の酒造技術を駆使して、品質の安定と向上に努め、最高級クラスの純米大吟醸酒「鳳麟」、月桂冠のスタンダードとして長年親しまれてきた「上撰」、ソフトタイプの「つき」、業界初となる「糖質ゼロ」清酒(2008年発売)、ノンアルコール(アルコール分0.00%)の「月桂冠フリー」など多彩な商品を次々と生み出しています。永年培ってきた醸造技術と共に、歴史的風土を生かしながら、新たな日本酒文化の発信を続けています。
日本から世界数十ヵ国に日本酒を輸出する一方、米国カリフォルニア州に米国月桂冠を設立(平成元年=1989年)、日本で培った四季醸造や新規醸造法などを技術移転した酒造蔵を稼働させ、米国・カナダなど北米、南米、欧州、アジアなど各地への販売を通じて、世界にSakeを広めています。
地元京都・伏見では、お酒の資料館「月桂冠大倉記念館」を公開、酒造用具類を保存し、伏見の酒造りと日本酒の歴史をわかりやすく紹介、ミニプラント「月桂冠酒香房」(見学は要予約)も併設し、国内外から年間十数万人の来訪を受けています。